― バルコニー>>218 ―
[はぐらかした答えに、突っ込みが来た。
どちらがマシか。
悪夢だと理解していない悪夢の中か。
悪夢でないと理解している悪い現実か]
……少なくとも、過去よりは今がいいようです。
[考え事をしながら言った唇が塞がれた。
目を白黒していたら、触れた黒羽根は落ちて行った。
間接の間接の間接的に口づけられたような、妙な気分だった]
俺は……そんなに真剣でしたか。
[自分で顔を撫でる。
意識していなかった。与えられた物に必死に取り組むのは、本来の性格であり、
また、そうしないと酷い目に遭うと学習させたれたせいである]