[それから付近の倉庫を回り、3(3x2)箇所目を巡った頃に隅で膝を抱えて座り込んでいる新兵の姿を見つけた。声を掛けるとびくりと肩を震わせたカシムは追い詰められた小動物のようだった。怖がらせないようにそれ以上は踏みださず、男は声を掛ける。]――シュタインメッツ中尉だ。昨夜は部下に言伝をくれたようだな。情報提供感謝する。直接話が聞きたくて此処に来た。[真摯な視線を向けると、カシムはおどおどと視線を彷徨わせた後に重い口を開いた。**]