― 氷の橋付近 ―
[追いついたのは、戦いの最後の局面だった。
膝をついたシロウと、近づくジェフロイの姿に
複雑な感情が胸を過ぎゆく。
次の瞬間、ふたりの間に煙が弾けるのを見て息を呑んだ。]
……、 大佐!
[ジェフロイを階級で呼んで駆け寄る。
シロウの名を呼びそうになったのは、押しとどめた。
側に行くより先に煙は晴れ、シロウの姿が消え失せる。
微かに息を吐いたのち、ジェフロイの無事を確かめた。
彼が足に痛手を受けているのを見て眉を顰めたが、
意見するようなことはせず、ただ動けることだけを確認する。]