[皆で帰る、決して敗退を許さぬ。>>123
そうして奏でる少年は、聖なる神を抱く教会の暗部を知らない。
己も同じ目的を持つはずなのに、
彼ほど清廉と言い切れぬのは若さに欠けるからだと言い訳づいた。
軽く頭を振り、金糸を揺らすと、纏め髪を後方に払い。]
アデル、君じゃ盾になれない。
本当に護りたいと思うなら、
君はいつか、刃を振り下ろす時が来るだろう。
―――…まぁ、女の子を護るのは童話の時代から、男の役目だ。
期待しているよ。
[彼の決意にそっと差し挟む現実の声。>>239
最後は揶揄を混ぜ込むも、案外信憑性がある。
気を紛らわせるように放った声が、せめて彼の心に降り積もるように。]