[踏みつけるように下ろした右足は地面を踏みつけ、ずんと、大地を揺らすことはないが、その重量を感じさせる重い音を響かせる。
続けて蹴り上げる足は、それほど早くも強くも大きくもできず、相手が離れたことによりやはり外れることになる。
近くの距離、レイピアを突くにはそれは近すぎ、力での取っ組み合いとなれば封印されている身とはいえ自分に分があっただろう。
けれども距離を離すその動きをそのまま追うことはせず、ゆっくりと見やり]
久しい時間をゆっくり楽しみたくもあるけど…、
[名は呼ばずとも、すでにその正体に確信に近い思いがあるのが相手にも伝わることだろう]
そろそろ決着をつけようか。
[蹴り上げた足を戻してこちらからも一歩二歩と後ろに、十分な距離が一度空いてから]