(しかし……見事だったな、ファミル。)
[シコンは真っ先に帝国に下り、その故を以って町は戦火に焼かれてはいない。カルボナードはシコンを、その町ごと要塞とすることを意図していた>>2:254
それは即ちシコンの港町を、そこに住む者ごと否応なしに戦わせる…国の防衛のための捨石とするということだ。それは、アンディーヴ卿にとっても我慢ならない話であった。
それをファミルは回避してみせたのだ。国にとっては許せない背信であろうとも、シコンを故郷とする者らにとってファミル・アンディーヴは間違いなく彼らを救ってくれた者の名であった。]