「お前ぇを護衛につけるんじゃなかった…」
……言っとくけどまだ手ぇ出してねーぞ。
キスはしたが。
[本人を目の前に何を報告してるんだと言われそうなことを言って、レトは点を仰ぐ上司の頬を拳でぐりぐりと押した。
遠慮ない力で為されたそれを上司が手で振り払う]
「お前ならいずれ手ぇ出すだろがよ。
……『斎の民』の方で諾が出てんなら、これ以上は言わんが」
あぁそれは問題無い。
[護衛の話は『斎の民』側からあったのかは定かではないが、上司は『斎の民』についてある程度の情報を持っているらしい。
問題無いといわれて、上司は疲れたように溜息をついた]