― 会見の日 ―
[改めて、間近で見る巫女姫には、
たしかにキールの面影があった。
宵藍の瞳は議論を交わした日々と同じように澄んで、
今はそこに思慮と覚悟の深みが差している。
大人びた顔には風格や威厳までもが漂っていた。
人々の信仰と敬愛を集めるナミュールの象徴。
千年積み重ねられてきた歴史の結晶。]
殿下。
我々は、3つのことを王府に要求します。
ひとつ。シュビトの自治を認めること。
ひとつ。国の政の主体を、貴族から民へと変えること。
ひとつ。即時ナミュールの結界を解放すること。
[壊したくはない。
だから、壊しにかからなくてはいけない。]