パン屋 オットー

[……自分の父の失踪時も、捜索に加わってくれたことを覚えている>>1174。
あまり表情を変えない自分の代わりに、湖畔へ駆けつけてくれ、探してくれたことも。
湖の中へ飛び込んでくれたことも。

湖の中へ飛び込んだと聞いたときは焦ったものだから、
見付からなかったという報告よりも、ジムゾンが無事だったということに安堵したものだった。

そんなものだから、死んだと聞いて2〜3日は少し焼きすぎたパンが出回ったし、帰ってきた姿を見て2度見するぐらいには驚いた>>0:1171。
自分が死んだことになっていることに気付かなかった原因が僕だと知ればーーどうしてかな。納得しそうだ。

その後しばらく、ジムゾンが帰ってきたことを喜んで、彼の好きなものを焼き過ぎでは…？　というぐらい焼いた気がする。

自分の父よりも、ジムゾンの方に一喜一憂（当社比）している回数のが多い気がする。
それもそのはずだ。何故なら父は……]