へぇ、そうなのか。銀器ねえ。
そりゃ、大変だったな。
[意外な疑いに、ふうん、と頷いてから。
身構えながら医務室を出ていこうとする姿に、
えらく警戒されとるなあ……と苦笑しつつ、それだけを投げる。
面倒で、名前が違う事情の説明は省いた。
無駄に勘ぐられるかもしれない可能性はあったが、
盗難の疑いなんぞ、痛くもかゆくもない身だ。
相手からしたら、そういう暢気な態度が、
誤魔化そうとしているように見えたかもしれない可能性もあるが。
女性なら必死に警戒を解こうとしただろうが、
野郎にどう思われても別に構わないしなー]