―シモンと別れ、教会への道の途中―
[さて、エルナの薪不足の問題はとりあえずシモンさんに伝えた。
残る用事はあとひとつ、ヤコブさんへの伝言だが……農場の方だろうかと思わなくもない。
とはいえ、まずは預かったズボンを神父様に渡さねばならぬわけで。
教会へ向かうと……今度は、教会を離れて歩いているヤコブの姿が見える >>233]
あ、ヤコブさん、ちょうどいい所に。
[軽く小走りでヤコブのもとへ歩み寄り、声をかける。
先ほどシモンと遭遇した時と比べれば、フリーデルの様子は十分に穏やか。こちらは急がずとも、いずれ必要になればヤコブ自ら訪れるだろうと知っているがゆえ]
こんにちは、ヤコブさん。
先ほどエルナさんから伝言を預かっているんです。
注文の作業着がもう出来ている、と。
恐らく、今ならまだ居るかと思いますので、取りに行かれては?
[と。平常通り穏やかな様子で提案する。
もしヤコブが引き止めないようであれば、彼女の足はそのまま教会へ向かう]