[床に転がったまま、大柄な相手の動きを鈍らせようと彼の右足をねらって、もう一発撃った。 ―――パァン!不安定な体勢からの右手だけの狙いが、外れても当たっても。2発目の銃弾の音があたりに響き渡る。脇腹の痛みに蒼白になりながら、咄嗟に痺れた左手で近くに壁に縋るようにして、立ち上がる。右手の銃口だけは、マーティンから逸らさないまま。]