―― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ――[風に阻まれ氷の結晶は散って、消えていく。それでもいくつかはこちらまで届き、露出した肌を削り取っていき。] キアラ!![霧の中、僅かな光を反射して煌く氷結と。少女から舞い散る朱の雫が軌跡を描き、下方へと落ちていく。自分の受けた傷も、痛みも忘れて落ちる少女へと手を伸ばし。] ――――間に合えっ、[もう敵であるとか、白竜の受けた傷の大きさだとかそんな事は頭から追い払って。全力の風を身に纏い少女を追う。]