[ 崩れ落ちる総督の姿
声を上げているのは、見知った姿。
アイリ総督に駆け寄るでもなく
ドロシー先輩に問うでもなく
一歩も動けなかったのは 今のあたしの弱さ
だけど、視線だけはドロシーを睨む
その視線は、彼女のほうからは見えただろうか
唇だけが空気を掠めて二人の名前を紡ぐ ]
アイリ……フォールデン総督
それに……ドロシー……先輩が、なぜ。
[ 逃げ出す者、総督に駆け寄る者、
ドロシーのほうに駆け寄る輩もいただろうか
混乱の最中一歩も動けずにそこにいたあたしを
奮い立たせたのは 紛れもない王子の声>>238 ]