『ま、待った! あっち……!』
[連れて来た精鋭の一人に腕を叩かれ、元来た方を指差される。
そこで見えたのは――先よりも明らかに前進している敵軽歩兵隊と、蹂躙と呼ぶに相応しい速度で減らされていく自部隊の兵の姿>>243]
くそっ……。やられた、そうか……。
[元々、自分と精鋭兵だけでぎりぎり維持していた戦線だったのだ。
下がって次の隊に任せる間なら、とは思っていたが、本気で潰す気で来た相手に持ち堪えられるものではなかった。
その次発隊の存在が知らされたことで、敵の方針に変化が生じていたとは考慮の外である]
『どうします? 今からでもあちらに戻りますか?』