[駆け逃げるユーリエの後ろ姿を、その場に立ち尽くし眺めた。随分と経った後に、おもむろに後を追うように階段を降り始めた。] ……そう言えば。[と何気ない口調で語り始める、] ギィから頼まれたことがある。 自分の子に形見を渡してくれと。[ジークムントを振り返りもせず、歩を進める。]