[ 男は昔から、剣術では、誰にも遅れをとることはなかったが、弓術に関しては、アデルが修練を始めて程無く追い抜かれ、以来、勝てた試しがない。 ]『俺は姫を護る護国剣士になるのに、これでは格好がつかないな。』[ そんな風に、少女だったアデルにぼやいたのは、いつのことだったか。護衛と次期女王としてではなく、幼馴染の縁戚として言葉を交わした頃は、随分と遠い。* ]