― パン屋の近く ―[鼻腔をくすぐるパンの匂いにつられるように歩いていれば、パン屋のそばに二人の人影>>204。 神父と、シスター。 神父服と修道服でなければ、若夫婦に見えなくもないなぁ、なんて思いながら青年は、にこやかな笑みを浮かべて軽く会釈して歩み寄る。 パンの入った籠から漂うのはやはりおいしそうな匂い。]こんにちは。傷薬なら……うん、少しは在庫があったかな。夜に宿屋に届け物があるんで、そのついでにでもお届けしますよ。他は、大丈夫です?