[しかしその小さな声で、大人は気づいたのだろう。
「おい!生きてるぞ!!」
「成功か?どのサンプルだ!!」
……何を言っているのか分からなかった。
しかし今ならその意味がわかる……私達子供は、実験台にされたのだ。
"ガルー"という寄生生物に侵された人間の脳を、子供の脳に直接移植し、間接的に感染させ、肉体的に強化を図るというのがこの実験の目的であったらしい。
人間でありながら、いざと言うときに"生物兵器"として使えるように。
多くの者が拒絶反応を起こして死んだ。
多くの者が凶暴化して殺された。
対象を子供にしたのは、単に凶暴化したときに殺しやすいということらしかった。ゴミの星の住人は、そこらへんのネズミと同じ。
ただのモルモット……人間としての権利はなかったのだ。]