― 昼過ぎ・宿の食堂 ―
[男が本から視線を上げたところで、丁度目があった。少し猫背がちな、物静かな雰囲気のひと。
誰かと話をしたいと思っていたのは、情報がほしいということもあったのだけれど、そんなことよりも単純に、ただ声をかけてみたくなったのだ。
気まずそうな会釈>>242に、笑顔を返す]
ここ、いいかな。
読書の邪魔をして済まないけど、一人で食べるのも味気ないんだ。
[問いかける声は、常の彼女よりは少し抑えた、静かなもので。
テーブルにはパンとスープ。大の男の昼食がそれだけで足りるのだろうかと、自分のことを棚に上げて思ったりもする。
あまり活発に体を動かす性分ではないのかな、と推察しつつ。
もし彼が申し出を受けてくれるなら、斜向かいの席にかけるだろう。あるいは邪魔になりそうなら、少し離れた席に]
その本――何の本?
[いずれにしても、結局話しかけてしまった。]