人狼物語−薔薇の下国

178 薄暮の海―CLASSIFIED MISSION―


見張指揮官附 ライナー

[親しく、という言葉で連想したのは、生前の兄から聞いた同僚の話。

同じ科に所属し、同室者でもある人の話をする兄は楽しそうだった。
そんな存在がいるのなら、きっと兄の生活は充実しているのだろうと。
自分もそんな風になりたいと、少しでも近づきたいと日々の業務に励んでいた矢先に、兄の死の知らせが届いた。

所属する艦が基地に帰艦していた事もあり、男は兄の葬儀に間に合った。
兄の遺体を目にし、砲撃に晒されたと知って冷水を浴びたような気分になり、かといって泣き崩れる事も出来ず。
十年は老け込んだような父母に弟と共に添っていた。

そうして感情を何処かに置き去りにしたまま、色を無くした日々を淡々と暮らしていた男は、兄の上司だった人物と会う機会を持った。
兄を医務室へ運び、助からないと首を振る医療関係者に食って掛かった同僚がいたのだという。
――直感的に、その人が兄の同室者だったのだろうと思った。]

(245) 2014/04/17(Thu) 21:29:52

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