― マーチェス平原 サクソー川北岸 西の浮き橋近く ―
[同道した直衛兵のひとりが指笛で仲間だと知らせつつ走れば、威嚇の矢は飛んで来なかった。]
よく凌いだ。 間もなく援軍も来るぞ!
[鼓舞をひとつ。浮き橋まで移動して報告を受ける。
解放軍騎馬隊に続いてディークが浮き橋を渡っている最中に橋に、船から火が放たれたらしい。
そこら中にある水を使って消火活動に勤しんでいる最中、敵騎馬隊が突入してきたと。
煙で視界の悪い中、迎え撃つ長柄部隊も健闘して半数ほどは阻止したものの、馬の尾のような髪をなびかせた隊長以下、10騎余りは南岸へ向ったと指差す。]