[双子はダンピールの娘との遭遇から、大聖堂の虐殺、若き騎士との決闘まで、包み隠さず絢爛公に語った。
仕える御方に誉れを戴けるよう、取るに足らぬと不興を買わぬよう、精一杯虚勢を張る様は、公にはどう見えただろうか。
鏡写しのふたつの顔、響きも全く同じ声が代わる代わる語る話は視点が交錯し、まるでその場にいたのはふたりでなくひとりであったかのように聞こえる。]
あの騎士は、見どころがありました。
かの者が研鑽を積み、円熟の境に達した時に、また立ち合いたいものです。
[双子は、最後にそう言って締めくくった。*]