──現在・ノーラとレストランにて──
ピザ……美味しそうではあるな。
少し、重たいが。
[それでも元気にと作ってくれたのだろう。
鼻腔をくすぐる香りは以前ならば
腹が鳴る勢いだったのだろうが、
脳に巣食う赤薔薇のせいで、
いつもよりは大分食慾が落ちている]
イタダキマス。
……ん、ふ。はふ、………むぐ。
[熱々のピザを口にして、
チーズがにょーんと伸びたのを慌てて
指で絡めて落ちないように。
はふはふ、熱くてもゆっくりと食べ進め
ピザのソースの赤さに、しかしそこに
望んだ味は無いと知りながら。
今までと同じように。
それでも、今までよりもかなりゆっくりと]