─ 不穏な "いろ" ─
[ 街の噂は思いのほか妙な方向に広がっていて
中には「アンタらがやったのか!」と
不敬極まりない言葉を掛けてくる民も居る
力を力で返しても仕方なく、
しかし収めるために、形だけも、と
サーベルに手を掛けることも少なくない
一人だったらきっと
暴漢共にやられて今頃どうなっていたことか
見かけは屈強な傭兵を伴って歩く街は
幸いに 危害が加えられることはなかった ]
……不穏ね。
[ 空はほんの少し雲掛かり
妙な空気と色あいを運んでくる
街中のピリピリとした緊張感と
不安に怯える心は、 どうしたって
こちらには伝わってくるのだ。
空を見上げれば1羽の鳩 >>242
それを見遣りながら眉を顰める
いまは、平和の象徴という気分でもない。
警備の報告へと、街から王宮へと歩いてゆく*]