[青年は躊躇いもなく目の前の彼に刃を振るう。ただ冷静に護らなくていいもの、を斬り捨てていた。護るべき大切なものはたくさん、あるのかもしれない。それでもこの体ではすべてを護りきれない。理解していても知りたくなかった。人を斬るということを。胸に鈍い感覚を。……赤く汚れていく感覚を。]……ごめんね。[悲しみで耳と尻尾を下げて、藤色のジェムを拾い上げ。どこかへ移動しようと廊下へ出た。*]