[大丈夫と言われても、全っ然、安心していられる状況ではなかったが、その実、金髪男の腕は確かであった。合金の義手を斬り飛ばし、弧を描いた刃のもとへワイヤーの先の手首を手繰り寄せると、据え物を斬るようにして、その掌に開いた”目”を両断する。] ── な…に、[迸ったのは血ならぬ瘴気であった。黒々と渦巻いて、末期の力をもってして、ゲルトに取り憑き直そうと雪崩れ込む。*]