―現実世界・サンデッキ・東階段近く―[誰かの視線を感じて立ち止まる。 すぐに周囲を探ることはせず、ゆっくりと歩き出した。壁に寄りかかり携帯電話を取り出す。]……あ、もしもし、おじさん?永莉斗ですがご無沙汰しております。えぇ、夏バテしないよう心掛けますよ。いま? あぁ、休暇中なのです。はい。……はい。[電話をかけた相手は母親の妹の旦那さん。つまり、輝音の父親。]