遅くなってすまなかった。俺が、もう少し早く援軍を連れて来れていたら、怪我人も戦死者も、もっと少なく済んだかもしれん。
[ 悔いても仕方のないこと、と判ってはいる。だが、命を護ること、そして命を救うことに、それこそ自分の命を張っているこの長い間の戦友にだけは、それを詫びておきたかった。
シロウは、何と応じたか…その会話のあと、個人的な話との前置きをされれば、内容を予測するのは容易だった ]
……そうか……
[ 怪我の事、記憶の事、どちらを聞かされても、男の顔に驚きの色は薄い ]
腕は、治るんだな?
[ あいつは飛べなくなるのが一番堪えるはずだから、とそれだけは念押しして、シロウが不審を感じているようなら、どこか情けなさそうに肩を竦めた ]