[その返事を聞きながら、エレキギターを抱えると、その足のままNルームへ。
ドロシー……は、分からないが、ベル、サシャ、マリエッタが眠っている場所。
その顔を確認すると、どうしても音が震えてしまいそうだったので、装置に近づいて話かける。]
……ドロシー、貴方のギター……お借りします。
バイオリンはよく弾いたのですが……エレキギターは、久しぶりで。
……音が飛んでも、笑わないで聞いてくださいよ?
[そう言い情けない顔で苦笑する。
そして……大きく息を吸い込んだ。
奏でる曲は決めてある。
巨匠ポール・スコット‐ダンカン、最後の作品。
何かの映画にも使われたのだったか……その辺に疎い自分には、分からなかったが、この曲は、別れと再会の曲だった。
(顔見てさよならって言ったら、僕は本当に、もうこの場から動けなくなってしまう。)
だから、音楽で、許してほしい。
ただ、その曲は、あまりに重々しく重厚な音を聞かせる音楽なので、その曲をジャズ調にアレンジするが。*]