――回想:アレクシスと――
スペック?
本当に不思議なことを言いいますね。
あまり女性に不用意なことを言うものじゃないですよ。
[アレクシスはそれなりの立場だろうにと彼は少しプンプンしていた]
あなたも歳を考えたら、落ち着くのも一興ではないですか。
なかなか、一生を添い遂げるという相手に出会うのは難しいでしょうけどね。
[ただ母親の言いなりになりたくなくて、次々に縁談を断っている彼はもしかしたら、
恋愛結婚希望なのかもしれない。そんなことは立場上無理だけど]
私はあなたが羨ましいからお互い様ですね。
持ってないからこそ、自由に見えます。
……すみません、ないものねだりで口がすぎました。
[普段は言わないだろう本音。
ふとアレクシスが昔にしていた故郷の話を思い出すとすぐに謝った。
持ってる人間の最大限のワガママだ]
また都下の酒場にでも連れて行ってください。
お土産話でもしますから。
[時折、アレクシスに半ば強引に連れて行かれる街の酒場。
彼はいつもいやいやついて行っていたが、本当は嫌いじゃなかった*]