[どうせなら潮騒を聞きながら帰ろうと海岸沿いを歩く。寄せては返す波に削られた砂は、足音を消して。深く暗い海は、すべてを飲み込んでしまいそうだ。こんな不気味なところに佇むのは自殺志願者か、はたまたUMAとの邂逅を夢見るオカルトマニアだろう。>>225]……?[これまで見てきたのと違う、やたら重苦しい雰囲気に。なんとなく声をかけるのを躊躇われ。しばらく佇み、入水の気配がないことだけ確認するとその背に背中を向けた。]