― ラウンジ ―[その後、いかにして身を整えたかは、別の話。ギィの気まぐれがあったか、素直にドールの助けを借りたか。どちらにしろ、珍しくもネクタイを外し、襟元を崩した格好で佇むレトの姿がラウンジにあった。ドールが容易した紅茶はカップの中で冷め切っている。昼も夜も分からぬ、暗い窓の外。閉じられたカーテンの向こうを、ただひたすらに*睨みつけて*]