[ がしゃり、がしゃり、文字通り機械的にグロテスクとしか言いようのない翼が羽ばたく ]
あ...
[ 複葉機の胴体に絡みついていた影は離れ、その身は一旦自由になったが、男の顔には戸惑いが浮かぶ。
自分は翼を持っていたか?
自分の翼は、こんなものだったか? ]
俺は...
[ その戸惑いを、更に抉るような天使の声>>237に顔を上げる ]
俺の、望み、は...
[ 月白の刃が迫る、手にはいつの間にか握り慣れたサーベルが現れて、刃を受け止めんと体は動く ]
...っ!
[ 翼の付け根を狙う天使の動きに、左腕を広げて「目」を庇う動きをするのも無意識の事、結果振るわれた刃に触れた、上腕から朱の華が散った* ]