[投げかけられたジムゾンの問いに>>238どう答えたものか、少しためらったのち]―――…そんなときも、ありました。[そう、短く答えた。かつてはどこにでもいる普通の少年だった。幼いころには両親から脅し半分に聞かされる狼の話に怯えたし、思春期には悪人に憧れて悪ぶってみた覚えもある。だが今にして思えば、そんな感情はまやかしに過ぎない。命が危険にさらされたとき、人は恐怖を感じている暇なんてない。憧れなんてもってのほかだ。3年前に、それを学んだ。]