[いくつかの会話が交わされるのを聞いていた。
自分はこの場において何ができるのかを、考えたりもしていた。
雪崩に巻き込まれたものもいた中、助かった部外者に怒りや憎しみを向けられずにいたことはありがたいと言えた。
人狼、氷漬け、死体。周りが口にする単語はどれも物騒だ。ああ、いや――本の話は、また別件だが。]
……おや。
[駆け込んできた小さな少年>>187もまた、雪崩のある種被害者だろうか。
親を探しているようだったが、しかし該当する人物はいないようだった。
軽く眉を寄せてから、唇を湿す。不甲斐なさを、覚えないでもなかった。]