――、…っ、……[橋の手前――ドライアイスの霧は、帝国工兵らの努力により散り散りになっている様子だった。 代わりに吹き荒れる吹雪が、辺りをきらきらと夜闇に輝かせている。 蹄の音が乱れる。 狂うような冷気が、男の白馬を襲い、怯ませていた]――『猫』、伏せていろ![早口で囁き、手綱を荒々しく掴んで鐙を踏みしめる。 間に彼女を挟むようにして、更に前のめりに騎乗の体勢をとった。]