(……多分私の故郷は、そういった残骸の集まりだった。)
[……故郷と呼べるほどの記憶はないけれど。
銀河の果ての果て、クエーサー。
宇宙を漂うゴミが、惑星の引力の相互関係の元、どういう訳か集まるゴミの星。
でも、それは後からの教育で知ったこと。
当時の私は自分がいる星の名前すら知らない場所で生まれ、そうすることがごく自然であるかのように、宇宙に彷徨うゴミを集め、そこから僅かに使える物を選び、生きる。
多くが3歳を迎えられずに死に……多くが大人になれないまま死ぬ子どもの星。
年々人が少なくなってゆく、死にゆく星。]
……私は幸運……だったわ。
[ポツリとこぼした言葉……思わず言いよどんでしまったのは、それが本心の全てではなかったからか。
その星は無人の星になってしまう前に、沢山の大人たちがやってきた。
厳つい防具をつけた者、キッチリとした胸にバッジのついた制服を着た者。
そして子供たちに暖かいご飯と清潔な衣服、暖かい住居を与えてくれたのだ。
……そんな無償の、ボランティア精神がそもそもおかしいのだということに、当時の私達は気づく訳もなく……。]