ああ、あの地下室だな。
言うなれば……ロマンであるな!
『そう、隠されていたという事は、そこに隠匿されるべき何かがあったという事!
宝か!魔物か!はたまたその両方か!さらにその先へと続く物が隠されているかもしれん!
それ即ち、この異人館には隠された謎がまだ残っているのである!』
[うんうんと男が頷けば、続くように鎧が仰々しい物言いを。
もっともツアー客と一緒に見学した時はそれらしい謎は全く見つける事はできなかったが。
せいぜい、「あ、ここトレーニングルームにするとちょうどいいかも」とか筋肉的思考である。
くるりとステップをする彼女を見遣りつつ]
ふむ……。それならば引き留めてしまったようですまなかった。
なに、気にするほどの事ではないのである。
[頭を下げられれば、男も慌てて下げ返す。
そのまま彼女が書斎に出ていくのなら引き留めずに男は見送る所存]*