―執務室兼自室―
[雑事が終わるまでは執務室を出ないと誓っている。
領主は気紛れ故に変なところにこだわりがある。
後任を引き継ぐに辺り、面倒事はすべて片付けてからにして置きたい。
本番まではあと少し、と言ったところだが。そろそろ一旦顔を出さないと、昔なじみである男辺りに顔を出さないことに怪しまれるかもしれない。]
仕方ない。一旦休憩……の前に。
[ぱかり。二つ折りの携帯を開いて短縮ボタンを素速く押す。
掛けた相手は金髪の不真面目な門番>>238]
ゲールト〜(低音)
ゲールトー!(高音)
……ゲルト?(疑問)
[相手が電話に出たならば、様々なバリエーションで名前を連呼して通話を切る。
気紛れ領主のやることに意味など見出してはいけない。決してだ。]