― サロン ―[ほんの少しばかり懸念はしていたが、アプサラスとアレクシスは、相性は悪くなかったらしい。彼らの交わす言葉を隣でにこやかに聞き、アレクシスがシメオンに興味を示すさまには、面白いものを見た、という顔で二人に視線を走らせる。] はは。謙遜することはないよ。 きっと面白い夜になる。 ―――もちろん、攫ったりはしないから安心していいよ。[シメオンから睨まれれば、思わず笑い声が零れた。]