― 酒楼での夢 ―
[ その奇妙な夜 ]
俺には、弟が...三人、居るんだ。
[ 幻の女に向かって、酔っぱらいはそんな戯言を漏らしたかもしれない ]
一人は、春の陽光みたいに優しくて...でも負けず嫌いで、努力家で、ほんとは誰よりも根性がある。
一人は、意地っ張りで、無鉄砲で...でも誰よりもまっすぐで、宝石みたいに綺麗な気持ちを持ってる。
もう一人は......
[ 少しの間、そして僅かに沈む声 ]
炎みたいな誇りと、強い意志と、大きな心を持った...でもほんとは少し寂しがりやの...
[ そこで、声は途切れて ]