―医務室→メイン・サロン―
[シメオンに着いてきてもらい、メイン・サロンへと向かう。
結構心細かったようで、彼がいることに無条件で安心している自分がいることに気付き、へらりと笑う。
勿論、何かあったら、守るつもりで、警戒は怠らないが。
メイン・サロンに着くや否や、机の上に無造作に置かれたエレキギターに近寄った。
弓矢には当たらなかったようで、外見には、傷はない。
ひとまずホッと、息を吐き出し、ギターに付けられたピックホルダーから一つピックを拝借。
試しに、弦を弾いてみる。
ビーンッという空気が震える音が、誰もいないサロン内に、思っていた以上に大きく響いた。]
よかった……無事だ。
……あ、シメオンはギターは弾けるんですか?
[その会話が、自分が寝ている間にダーフィトと交わされたことは知らず、そう尋ねる。
その返答次第では、いつか演奏してもらいたい楽器が一つ増えることになるのだが。]