ああ、ゆっくり休んで。
無理はしないように。
そうだな、早く人狼を見つけられれば……
[運搬用のみならず、警備用ドロイドも追加で呼んだのは、
ゲオルグに、彼女を守ると約束したからだ。
青い顔で笑みを浮かべて見せる彼女に、余程消耗があるのだろうと、そっと手を貸しストレッチャーへと。
疑ってすまなかったな、の言葉には、笑顔とともにゆるりと首を横に振り、
本当にいいんだよ、と頷いた。
全てを偽りで塗り固めるよりは、かけらなりとも真実を。
けれどもその真実が、“核”なるものであったなら、
その偽りを見抜くのは、難しいものとなる。
掛け声一つ、ドロイドと共にメイン・サロンに向かう姿を、視界が届くところまではしっかり見送って、
(なお、掛け声には思わず「おー!」と唱和したくなったが、
さっきすごくびっくりさせてしまったので、自重した)
――ふわりと現れた白い猫が、『容疑者』の名を告げたのは、そのときだったろうか。]