神父 ジムゾン

　　――　パン屋　『ハティ』　――

[此処にも、もうひとはいなくなった。
静まり返った村に広がる静寂が、
無人となったばかりの建物にも忍び寄っている。

けれど、そこには確かに、
遺されているものがあった。

まずは、石窯近くの白い布を外す。>>202
その大体の量は、目測で凡そ見当がついた。
買い出し組が帰って来るまで食べられる分量。
けれど、『全員』がそうするには、
少しだけ足りない。>>203

そして、工房の分かりやすい場所――
朝、遠目に見たその場所に、
並べられていたものがある。>>206>>207

その全てを袋に収め、宿へと取って返した。]