[こちらが何か言うよりも早くアリーセが動き、じゃらりとした重い音と共に彼女の右足が振り下ろされた]
────!
[狙いが足なら剣で往なすことは出来ない。
単に足を踏みつけの軌道上から外すより他無い。
やや強引に左足で地を蹴ると、右足を軸にして回転の要領で踏みつけの軌道から左足を引き抜いた。
踏みつけの反動で振り降りる鎖が、逃げ遅れた左足の甲を打ち据えていく。
相手が踏み込むことで私達は再び接近し、私は彼女を左側から見ることになった。
攻撃のチャンスではあったが、片足であるためにバランスが悪く、レイピアの切先を突き出すには距離が近すぎて。
左肩の痛みに耐えながら、掌をアリーセの肩に当て押すと同時、軸足にしていた右足で地を蹴ることで互いの距離を離そうと試みた]