警備員 ディーク

　　――…　マーティンの後を任されるなんざ、
　　そりゃあ、誰だって、
　　そうそうすぐには、出来るもんじゃないよ。
　　俺が乗ってたときだって、
　　もうあいつ、いい年の大人だったじゃん。


[あいつの腕は広くて、手は大きくて、困っている人は見逃せないとばかりに片っ端から拾い上げては救うような、そんな度量を持った男で、
そうして、大人だった。
まだ大人にもなりきらぬ、その頼りない細い体で、どれだけのものを負っていたのだろうと。
――…　本当は、それだけではない、重すぎる何かを負っていることも、知らず、微笑む。]