[彼には伝わるだろうか。
数年前に近くにあったあの天真爛漫な笑顔と、
戦場を震撼させる「鬼」ラムスドルフの名とが余りにも――]
……妙なことを言って、済まん。
勿論、みすみす殺させるわけにはいかないんでな。
ファロン少尉のような手練を付けて、更に小隊も傍に置いた。
それに、ミヒャエル―――デンプヴォルフ大尉の配下がつくとあらば、これ以上はないだろう。
[敵軍が何を考えていようとも、遂行すべき目的は一つ。
迎え討つこと。それは変わらないのだ。]
連絡員配備の心遣いと、忠告とに感謝する。
当初の予定より、南東に厚みを出す配置に布陣を弄ってみる。
[ミヒャエルの意見を取り入れる、と、
頷きを返すときは常の顔に戻っていた。]
そちらも、武運を。 *