[それは海向こうで生まれた、失敗作、なのだという。
不完全な材料を試した際の副産物に、
音声記録用の石の魔力を抽出し、共振させたもの。
本来の生成には、もっと高精度の触媒が必要だが、
なかなか手に入らない希少な材料なのだと使者は語った。]
――よくわからないが、表沙汰には出来ないもの、か。
まあ、使える程度には復元してみよう。
[砂をさらりと敷き布の上に零せば、微かに蛋白質の焦げるような匂い。
何か、獣肉で出来たパーツを利用したものなのだろうと推測し、苦笑する。
――おそらくは、二本足の獣だ。]