― 海精軍拠点・月見中 ― 無粋だねぇ。[一つのあわただしい騒動が聞こえた。わらわらとでていく兵もいただろう。だがそこに殺たる気配がなかったから、暗幕の空を飾る白炎のような月を肴にいっぱい] 風情なんて俺もわかんねーけどな。[静かな夜よりは喧しい夜に安酒を飲んでいるほうがなじみ深い。ただ時に好物以外を食べたくなるように見上げていたのがたまたまこの日であっただけであり、その光景を見たのもただの偶然>>232]